音楽における個性とは何か(という名のただの推し語り)第三章「気迫」
すっかりお馴染みになったでしょうか。なってないですね。大君(はるくん)です。
推し語りをする一方で、「これ本人達の邪魔にならないかなー」とか「他の誰かから"いい加減やかましいぞ"とか言われないかなー」などと不安に駆られることもありますが、
存外みなさん暖かく見守ってくださっているようで安心しております(*´ω`*)
さて、
そういう意見があったわけではないのですが、
誤解を生まないようここで明言しておきます。
「音楽における個性」というものにスポットを当てて解説しつつ推し語りをしているため、
「この人はメロディで個性を出してるんだなぁ」
「この人はコード進行に力を入れてるんだなぁ」
と思ってしまいがちですし、なんなら
「はるくんにとってはそこしか魅力的じゃないのかなぁ」
とも思ってしまうかもしれませんが、
断じて違います。
Tweetでもちょっと申し上げましたが、
音楽はスマブラやポケモンではありません。
カスタムロボです。
メロディ、リズム、音色、コード進行、パートわけ、編成、ジャンルなどなど、
これまで挙げたものから今後挙げていくものまで、
これらを組み合わせて出来上がるものが「個性」です。
どれか一つが個性的であればいい、というのではなく、
複数の要素を組み合わせて「自分らしさ」を作り上げるのが音楽です。
音楽に限った話じゃないかもね。
また、ピックアップしている人と項目は、
「この視点で切り込んだら分かりやすく勉強になるなぁ」と感じたものであり、
それがその人の魅力の全てではありません。
面倒かもしれないけど、そこだけは忘れちゃいけません。
語り尽くせないのは惜しいですが、
語り尽くせるほど浅くもないのが彼らの音楽の素晴らしい点です(*´ω`*)
(それにたまに的外れなこと言っちゃってるだろうから、これくらいがちょうどいいのかもしれないね)
では、本題に戻りましょう。
【音楽の個性を決定する要素】
1 音
2 構成
3 気迫
4 奏法(演奏者や歌手の場合)
5 歌詞(歌詞がある場合)
ついに最もぼんやりとした表現が出てきました。
「気迫」って何よ、と。
「気迫の出し方がわかれば苦労しねえんだよ」と。
言いたい気持ちはわかります。
しかしこの気迫というもの、
言葉の響きからなんとなく「圧倒的な雰囲気」や「強く飲み込まれる」といった意味に捉えてしまいがちですが、
全く違います。
音楽にあっては、勿論上記の意味も含まれますが、
「気を惹く力」全てを気迫と呼びます。
「だからぁ、どうやって気を惹くのさ?」と言いたいですよね?
私も知りません(๑╹ω╹๑ )
教えてください(!?)
しかし、何に気を惹かれるのか、何が気を惹きやすいのかは(ある程度までは)分析できます。
そこで今日は、「気迫」を4項目に分解して、
推し語りしつつ解説できたらいいんじゃないかな?(投げやり)
まあ、推し語りがメインなので期待しないでください(!?)
「気迫」は
①音圧・音量
②低音
③編集
④空気感
に分解することができます。
できます、じゃねえよ、④はなんだ、
と言いたいですよね?
音楽的に切り込もうと思えば切り込めるのかもしれないけど、
分かりやすく推し語りするならこうとしか分類できねえ!という苦肉の策です( ̄◇ ̄;)
しかし、言ってる意味は聞けば分かります。
①音圧・音量
「音圧」と「音量」って似てますよね。
似てますが、当然違うものです。
「音量」は多くの人がご存知の通り、音の大きさを表します。
「音圧」は、
例えば音量50%で別々の音声を再生した時に
75%くらいの音量で聞こえるものを「音圧が高い」「音圧が強い」
25%くらいの音量で聞こえるものを「音圧が低い」「音圧が弱い」
と呼びます。
音圧、という言葉の通りこれは圧力ですので、
音圧を上げすぎると音が潰れてクソみてえな音になります。
その音が潰れないスレスレを狙って「小さい音量で大きな音を聴かせる」ということにチャレンジするのがミュージシャンのトレンドというか通過儀礼のようになっていますが、
先ほど言った通りこれは「圧力」なので、
全部が全部強ければいい、大きければいい、ってものではありません。
そしてこの「圧力」や「音量」、そのバランスや使い方にも個性の要素が隠れています。
音圧・音量No.1:さとうさやか 氏
その楽曲に適した音圧や音量というものを上手に使い分けるお方だなぁと尊敬しております。
全体的な音圧ではなく、ごく一部のパートのみ音圧を上げ、それ以外を比較的落とすことで爽やかさを演出したり、
逆に全体的な音圧を上げて文字通りの「圧力」を演出したりする、
フットワークの軽い音量の使い分け方をされる方だなぁと感じます。
作詞や歌唱指導、音楽サービスでの戦略などについてブログも更新されるほど識の有るお方でもあると思います。
私はたまに自作曲で音量バランスがキモくなって嫌になったら
このお方の曲を聞いて「今どこがダメなの?どうしたらいい?」と参考にさせていただくこともあります(笑)
ゲームのBGM作りでめちゃめちゃ参考にさせていただいてます(笑)
自分の曲で詰まったら、そうやって「分かりやすいお手本」「理想的な音源」を聴きにいくのも解決法の一つです。
音圧・音量No.2:黒川 鷺 氏
シンセ、それも現代テクノ音楽で用いられる「サーッ」っていう感じのシンセサイザーは、
多くの場合高圧的になってしまって好みを分けるような要因になってしまうこともあるのですが、
このお方がこの曲で用いるシンセサイザーは極めて「ちょうどいい」音になっています。
適度に聴きやすく、それでいてしっかり存在感を発する存在として、
リズム隊の合間を縫うように聞き手の耳を吹き抜けていきます。
自分がこの音色を使う時、こんな聞こえ方をさせられたらさぞ気持ち良いだろうなぁと羨ましくなります。
音圧・音量No.3:Aqua Danchekker 氏
歯切れの良い軽快な打撃と低音の圧力と、ノリノリのシンセサイザーと、
時折見える旋律的にほのかに響く音色が特徴的なお方です。
エフェクトなどで圧力を高めているというよりは、音色選びや音符選びで圧力を高めている印象があり、
高圧のサウンドが苦手な方にとっては「聴きやすい圧力」に相当するのではないでしょうか。
DTMerコンピでご一緒した時は特に打撃と低音の圧力が中心の迫力満点なテクノ音楽を作っていらして、
現在は他の音色が以前よりも響くような、旋律的かつ魔術的な音楽を作っていらっしゃいます。
流行りのビリビリとした低音もかっこよくて好きですが、
このお方の歯切れが良くリズミカルにくぐもった低音と高圧でバキッとした打撃も「迫力系おしゃれ」と言った具合で
捨て置けない魅力です(*´ω`*)
音圧・音量No.4:Naikwoo 氏
打楽器系の音を高圧にし、現代的なテクノサウンドらしくバキッとした印象に仕上げることの多い方だとお見受けします。
高圧で適度に乾いたリズム隊の音色は楽曲の中で非常に印象的に響くため、
特にEDMなどノリの良い音楽でこの高圧さは聴き心地やノリやすさなどに高い効果を発揮します。
エレクトロの中でも旋律的(音楽らしい音楽)ながら、
テクノらしい効果音や電撃音などを効果的に織り混ぜて聞き手の高揚感を煽り立ててくれます。
また、静かな楽曲では逆にリズム隊の音量を抑える、ということもやっていらっしゃるので、
このお方も一口に「音圧」を体現せず、TPOに合わせた圧力を図る方なんだなぁと実感します(*´ω`*)
ゲームプレイ動画のBGMにして宣伝Tweetをされていたので、実は出会ってからしばらく見落としてしまっていた方です。
もっと早くに気づけばよかった。。。と後悔しつつも、今は改めて聴き直しながら体を揺らしています(笑)
②低音
さて、低音の使い方も個性をわける重大な要素の一つであります。
「あー、ワブルベースとかね〜」とか
「Jazzyなベースとかも良いよね〜」とか
「チョッパーもうええてー!」とか
そういう話。。。
ではありません。
もっと基礎的な話で、「どれほど低音に集中させるか」「どれほど低音を表に出すか」というセンスの話になってきます。
この話に適しているのは、現代的な音楽ではなくクラシックです。
みなさんは、ヴェルディ作曲の「レクイエム」にある一曲「怒りの日」をご存知でしょうか。
タイトルを言われてもピンとこないかもしれませんが、恐らくバラエティ番組のCM等で聞いたことがあると思います。
映画「バトル・ロワイアル」のテーマとしても有名です。
この楽曲は、音楽の個性「低音」を語るのにとても有用です。
低音No.1:カラヤン 指揮
世界最高として名高い名指揮者、カラヤンの指揮による演奏です。
音源の古さやホールの関係もあると思われますが、低音の響きよりも速度、
合唱隊の声や高音楽器(トランペットやフルート、バイオリンなど)の音色に意識が向きます。
これによって、「パニック感」「嵐」「暴れ回るような」「逃げ惑うような」といった印象を受ける人は多いはず。
これがある種コミカルに聞こえて「芸人さんがドッキリか何かで追い詰められてる」とか
「芸能人が何かでガチンコバトルする」とかの場面に合う錯覚も起こします。
しかし、「怒りの日」なのにそれは良いのか?と、音楽に詳しくない人は疑問に思うはず。
その疑問はNo.2を聴くことでもっと深まります。
低音No.2:天野正道 指揮・編曲
映画「バトル・ロワイアル」のサウンドトラックとして収録されている演奏です。
先ほどの演奏とは打って変わって、ドォン…ドォン…と巨大な何かがこちらに少しずつ迫ってくるような、
低音の響く音色になっていることに気がつくと思います。
低音に重きを置いているために、全体としてもカラヤン指揮のものより遅く演奏されています。
シンプルに言えば「こっちの方が怖い」のです。
ぶっちゃけ「あっ、死ぬ」って思うほど怖いです。
「世界的指揮者」という看板を見るとカラヤン 指揮の演奏の方が正しく見えてしまいがちですが、
はるくんが思うに「楽曲本来の姿はこっちだったんじゃないか」と思うのです。
スーパー箸休めタイム「クラシック音楽"怒りの日"の不思議」
クラシック音楽は、そもそも作曲者の亡くなっていることが9割であり、
作曲者がどういう風に演奏してほしかったのか、何を意図してそういう曲調にしたのか、などは
楽譜を読み解く以外の方法がありません。
(細かく言うと時代背景だとか作者の生活環境だとかまで遡るんですが、割愛)
極端に言えば「正解が分からない」「そもそも正解なんてない」という状態になります。
しかし、楽譜を見たことがある人にはわかると思いますが、
楽譜にはその曲のテンポが書いてあります。
「怒りの日」の場合は「Allegro agitato(興奮して速く)」という意味になりますが
「Allegro」の示すテンポは、BPMで言えば132〜160ほどで、
天野正道 指揮の演奏はこれに当てはまりますが、
カラヤン 指揮の演奏はこれを大きく超え、およそ188〜212ほどになります。
(BPM180以上は「Presto(超早く)」「Prestissimo(爆速)」と表記されることが多い)
速度という観点でも、作曲者の意図を汲み取ろうと考えたときには
天野正道 指揮のものが正しく見えます。
だって絶対こっちの方が怖いもん。
しかし、カラヤンが「allegro」の指示をオーバーに無視してまで爆速にした理由はちゃんとあります。
(とは言ったってはるくんの憶測ですけど)
この「レクイエム(死者のためのミサ曲)」というのはキリスト教における「お経」のようなもので、
このお経を西洋音楽家達は自分たちなりにアレンジしていました。
今の世で言う「東方アレンジ」のキリスト教版みたいな感じです。
ただ、この「レクイエム」には暗黙の了解がありまして、
演奏する際は当然お葬式になります。
したがって、「死への恐怖を煽ってはならない」のです。
ヴェ、ヴェルディさん、嘘だろ?
あんた、この曲めっちゃ怖いやん。。。
(怖いのはぶっちゃけ「怒りの日」だけで、それ以外は「華やか」「派手」という評価)
で、楽譜にある通りにAllegro(BPM132〜160)で演奏すると、
天野正道 指揮の演奏同様に、この世の終わり感がめちゃめちゃ強くなります。
テンポ的にも低音に意識が向きやすくなるため、恐怖感が増幅します。
カラヤンはおそらく、テンポを楽譜通りに演奏したらこうなるだろうと分かっていたのです。
だから楽譜に書いてある以上に爆速にし、
音色作りも低音重視から中高音重視にすることで、
この曲が持つもう一つの面である「華やかさ」「派手さ」というものを前面に出し、
「死への恐怖」よりもパニックや動乱感を演出したのです。
それに、爆速にすればその分恐怖は一瞬で終わりますし。
(注意)
カラヤン指揮の演奏では「レクイエム」の全曲が演奏されるため、
前後の兼ね合いで爆速になった説や、
カラヤン自身が「共に音楽を演じる」「指揮者の名俳優」みたいなところがあるので
オーケストラと共に感情を爆発させた説や、
Allegro agitatoを単なる速度や雰囲気ではなく「言葉」として受け取ったから爆速になった説など、
色々諸説あるはずです。
どれが正しいのかはるくんは知りません。
また、作曲者の意図がどっち寄りなのかもあくまで想像の域です。
というように、低音の出し方、引っ込め方で、楽曲の印象はこれほどまでに変わります。
音楽って面白いですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
③編集
本題に戻りまして。
かなりテクノ音楽色の強い項目になります。
というのも、この編集というのは単に「MIX(ミックスダウン、音楽の音をまとめる作業全般)」のことを指しているわけではないからです。
楽曲全体の音を「どこで曇らせるか」「どこでいったんぶつ切りにするか」「どのようにテンションダウン(音をわかりやすく下げる事)するか」などで音楽の雰囲気や表情をガラッと変えることも、個性を発揮することもできます。
編集No.1:TAMUCLOUD 氏
DJのような音使いを、ずっしりとしたテクノ音楽で印象的かつキレよく用いる、
独特な世界観を持った音楽を作られる方です。
これらの楽曲では、まるで巨大な人工知能と対峙しているような緊張感や、
ディストピア特有の不気味さを発揮しています。
他の系統の楽曲でもどこかほの暗く遠くへ響く編集効果が多く、
無限に広がるサイバー空間で音楽に飲み込まれるような錯覚を抱きます。
この独特さは「鬼才」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
④空気感
これねぇ、ほんとにね、ごめん。。。
ぜんっぜん(馴染みのある言葉で)言語化できなかったの( ̄◇ ̄;)
ただここに掲げる各員の空気感というものは本当に独特で、
魅力的なところ挙げたらキリがないけど、
その魅力の根幹が全く読めない(空気感と呼ぶしかない)という方々です。
こういう空気感を演出するのもまた個性の一つですが、
むしろ絶対的な個性なんですが(一発で見分けられるから)、
彼らの魅力の根っこが分からないうちは、
彼らの空気感を盗むことは出来なさそうです。。。( ̄◇ ̄;)
空気感No.1:Roxieぺーたん 氏
使っているのはごく普通の打ち込み音源。にもかかわらず、不思議と安心するこの空気感とほのかな高揚感。
特に「Plathome」ではその高揚感が逸るテンポと共にどこか焦りを誘い、
特に「Gloomy Orange」では眠る前のような安心感と明日を待つ温かみに変わります。
子供の頃に体感した「夜」というものを思い出すような、
暗さと暖かさが同居した独特の空気感があります。
これは並大抵のセンスでは再現不可能です。
他の楽曲でもおそらく使用音源に変わりはないのですが、
仮に変わっていたとしてもそれを感じさせないほどの安心感と温かみを持った楽曲ばかりです。
空気感No.2:なまいと 氏
第一部から存じ上げている方なのですが、出会った時から目を見張るテクノ音楽を作られる方でした。
テクノ音楽ながらイージーリスニングに相当するような不思議な音楽です。
全体的に透明感のある軽やかな音色の音楽を作る方で、
静々と、ひっそりとしているようでどこか雄大で、
電脳空間のようで、どこか古風な暮らしが透けて見えるようで、
現代的な音色なのにどこか遥か昔の音を聞いているような。。。
このお方の魅力も一口では言い表せない、
というよりも言葉が見つからない不思議な魅力を持った方です。
空気感No.3:RenoVeightZ の方々
バンドサウンドの中でも「透明感」と「ぎらつき」を同じくらい併せ持つ独特な空気感のバンドです。
一見近年人気の透明系に見えて、実は心地よい渋みと力も兼ね備えたボーカル、
同じく渋い色の歪みがよく似合うギター、
粒立った音色で麗しく、時に激情的に演奏されるピアノ、
クールかつしっかりとバンド全体を支えるベース、
バンド全体や楽曲と共に表情を変えるドラムス。
言葉にしてしまうとよくあるバンドのメンバー紹介になってしまうんですが、
このバンドの「透明感」や「美しさ」、ほのかに香る「高級感」、
そして「ぎらつき」と「心地よい渋み」はなかなか出会えません。
これ以上の言語化が不毛なほど、知れば知るほどたまりません。
「かっこいい」という言葉が安っぽく見えるほど、かっこいいです。
空気感No.4:赤城海溝 氏
このアルバムを聴くとその挑戦と独特な空気感がよくわかります。
ネタバレになってしまうんですが、このアルバム、1曲1分なんです。
1分ずつ曲が過ぎていき、アルバム全部聴き終わっても10分にしかなりません。
このわずか「10分」という時間で、ありとあらゆる音楽を穏やかに旅することができます。
それら一曲一曲を言葉で表すことは不可能に近く、
私がいつも意識している「アルバムは一つの作品」という作り方の完成系のようなアルバムです。
こんなアルバムが作れるようになりたかった。。。!(笑)
寝る前に聞く(睡眠BGMにする)ことはお勧めしません。
理由としては、万が一全部聴き切る前に寝てしまったらもったいないからです。
一度はぜひ覚醒状態で、されど心穏やかに、この空気感に触れてほしい一作です。
また、DTMerコンピ参加曲である「Next Generation」も、
音色自体は比較的騒々しいのですが、
なにぶん曲調が穏やかで「心地よい緊張感とハイコントラストなほの暗さ」があり、
下手したらついうっかり眠ってしまう可能性があるので、
こちらもこのアルバム同様に覚醒状態でじっくり味わってほしい曲となっています(*´ω`*)
空気感No.5:安部光輝 氏
音楽に溢れる「あなた実はプロでしょ」感。
技術面、編集面、曲の作り方などでそれを具体的に感じることはあっても、
音楽そのものに漠然と「プロの気迫」を感じることって案外少ないものです。
このお方の作る音楽にはそれがあり、きっとあらゆる音楽を熱心に聞いてきたんだろうなぁと想像してしまうほどです。
プロの音源でも、音楽をやる人なら
「どこかにミスはないか」
「どこかにアラがないか」
なんてついつい探してしまったことがあると思います。
想像でしかありませんが、きっとこの人の音楽にも探せばそれらは見つかるんだとは思います。
ご本人視点でも思うところはあるのかもしれない。
しかし、この音楽が持つ「プロの気迫」がそれを断じて許さないというか、
「聞き手にアラを探させない気迫」が感じられ、
自ずとこの人の音楽を楽しむ方へ誘導されます。
マスタリングスタッフも担当されていたことから、
エンジニアとしてもかなり高いレベルの技術や知識を持っていると思われ、
プロ顔負けのこだわりと意匠を感じざるを得ません。
盗みたいのに盗めない、この気迫。。。!
空気感No.6:たこ焼きそば 氏
正直なことを申し上げます。
このお方の曲は、DTMerコンピの曲を全曲個人的に聞いた私が、
唯一導入部で息を飲んだ曲です。
勿論全曲全員素晴らしかったし、魅力的でした。
しかしこのお方の曲だけ、私はまるで磔にされたかのように息を飲んで聴き入りました。
聴き終えてから思わず再生ボタンを止めて、しばらく手がビシビシしたままで、後から遅れて感動がやってきました。
端的にいうなら「ショック」でした。
上記ページの視聴版を聞いていただくとどういう演奏形態(編成)なのかはわかると思います。
視聴版のサビを聞く限り、よくあるボカロポップスだと思います。
ではその導入部はどうだったか?
言葉にしてしまえば、特別なことは何もありません。
初音ミクがピアノの伴奏に合わせて歌っている。それだけです。
サビに行くにつれて普通に楽器が増えていって、サビであのように盛り上がる。
全体としては「青春系バラード」のような雰囲気の楽曲です。
こんなふうに、言葉にすると「普通」なんです。
情報だけを見ると「普通」なんです。
しかし、なぜかはじめから聴くと、毎回息を飲んで聞き入ってしまうのです。
何が特別だったのか。何が特徴的だったのか。何がそういう気迫を生み出したのか。
メロディか? コード進行か? 編成か? 歌詞か?
確認のために何度も聞き返していますが、文章を書いている今でも何がこの魅力を決定づけているのか全くわかりません。
視聴版だけを聞いていた時点では「時折ふと思い出して口ずさみたくなるだなぁ」という程度の認識だったのが、
今では聴くたびに音楽に引き込まれ、油断すると泣きそうになります。
この人のこの楽曲こそ、まさしく「気迫」という言葉にふさわしい魅力的なものだと私は考えます。
ということで、
本日も長々と語らせていただきました。
ちゃんと魅力が伝えられたかは正直不安です( ̄◇ ̄;)
だって、ほとんど言葉にならないような魅力の人たちなんだもの(笑)
こんな素敵なアーティストになりたいなぁと思いながら、
本日もこの辺りで切り上げさせていただきます(๑>◡<๑)
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