音楽における個性とは何か?(という言い訳で推し語り)最終章「歌詞」
どうも、はるくんです。
どうでもいい報告なのですが、爪が伸びました。
これから切ります。
切りました。
では推し語りを始めます。
何のための文章だったんでしょうね、この段。
音楽の個性を決定する要素
1 音
2 構成
3 気迫
4 奏法
5 歌詞
そうです、最終段の「歌詞」になります。
「自分は後にも先にもインスト系しか作らん!」という人にとっては関係ない話になってしまいますが、
「聴く」という立場においても、歌詞の「個性」というのは極めてわかりやすい要素になっています。
今日はそれぞれの要素を一気に解説してから推したちを紹介します。
それとも推したちが先の方がいいですか?
どっちがいい?(いいからはよ説明せえや)
①言葉遣い
そりゃそーだ、と言われてしまうかもしれませんが、「言葉選び」ではなく「言葉遣い」であるところにご注意願いたいのです。
歌詞を書く人間は、そりゃあ言葉にかなりの注意力とエネルギーを費やします。
「どうしたら伝わるだろう」
「どうしたらこの風景が描けるだろう」
「なんて言葉が心地よいだろう」
などなど、自分の持てる語彙をフル活用して言葉を紡ぐからです。
歌物の作曲をする人間は時折「作詞」を含めて「作曲」だと表現しますが(はるくんもそのクチ)、
作曲が「パソコン上のDTM」だとするならば、
作詞は「文字上のDTM」と呼んでもいいくらい、
作曲同等のエネルギーを使います。
Twitter等で自分の作った歌詞をスクショしている人を見て
斜に構えた人なんかがたまに鼻で笑ってたりしますが、
(それが中にはミュージシャンだったりしてたまにモニョるんですが)
投稿できる手段が簡単なだけで、あれもかなりのエネルギーを割いて作られているものなのです。
で、言葉遣いも三者三様、十人十色です。
しかし、どれだけ詩的な歌詞を志していても、
普段何気なく使う言葉や、好きな言葉、影響を受けた言葉など、
その人が「普段の言葉遣い」で出会ってきた言葉が歌詞に集約され、
そのまま表現に反映されます。
勿論、作品のあり方が人格そのもの、なんてチープなことは言いません。
しかし、普段言葉というものにどれだけ気を付けているかによって、歌詞表現の「きめ細かさ」が決まると言っても過言ではありません。
「何か説得力に欠ける。。。」
「何か物足りない。。。」
「何かふわっとしてしまう。。。」
だとか、逆に
「具体的すぎる。。。」
「こうまではっきりさせたくないんだけど。。。」
「もっとふわっとさせたいのに。。。」
などがある時は、
詩的な表現を磨くより、普段の言葉遣いを見直すことが近道である場合が多いのです(˘ω˘)
言葉とはそのくらい、意外とごまかしが効かないものです。
②韻踏み・字数
歌詞は通常の詩と異なり、メロディ等によるある程度以上の縛りが存在します。
その代表的なものが「韻踏み」と「字数」です。
どっちも普通の詩にもあるって?
まあまあ聞いてよ。
「このメロディに収まる字数で言葉を選ばなきゃ」とか
「最初と最後がこの母音になるようにしなきゃ」とか
HipHop(特にラップ)の世界だとこれらが顕著に出ます。
ポップス音楽やロック音楽では、露骨に韻を踏むと少しうざったく聞こえてしまうため、
韻を踏む箇所はあえて別の言語にしたり、その箇所をさりげなくしたり
("韻を踏む"という語から何となくメロディの後ろの方で韻を踏むイメージがありますが、それをあえてメロディの先頭でやってみる等)
することでウザさを回避する手法も割とよくあります。
一方、先に登場したHipHopの世界ではどうなるかというと、
日本語なのにパッと聞いただけでは日本語に聞こえない言葉を選んだり、
別の言語(主に英語)と混ぜ合わせてキレや疾走感を生んだり、
逆にはっきり日本語の形を残し、覚えやすくして親しみを与えたりすることもあります。
風説に負けず劣らず、ラップの言葉選び、特に日本語のラップはマジで難しいです。
はるくんも過去やってはいましたが、ラップというよりはホルモンの真似でしたし、
ホルモンの真似したはずなのになかなかキレがよくならないし、スピード感もない。
そうかと言って親しみがあるわけでもない。
つまり「ダサくなった」のです。
(ダサくなってラップを諦めた大君(はるくん)の図)
ラップ特有のリズムに合わせて言葉を高速かつキレ良く発する、
あるいは低速ながらカッコよく決める、ないしは程よく親しみを持たせる、
という技は人間離れしてるなぁとしみじみ思ったのでありました。
また、韻とは少し違うものになりますが、
「一番の歌詞と二番の歌詞が対になっている」
「二番の歌詞が一番の歌詞をもじっている」
なども技の一つで、
これは一番と二番の歌詞を大きく変えないことでメロディに変化を与えにくくする効果があります。
音楽好きの中でもこの手法は好き嫌いが分かれるのですが、
音楽的なノリを重視するタイプの楽曲は基本これで問題ないと思われます。
疾走感重視だとほぼ気になりません。
ε===ヾ(๑╹◡╹)ノ"
③メロディとの関係
多くの作詞家を悩ませる課題の一つが「どのくらいメロディと言葉(イントネーション)をリンクさせるか」になります。
これはどういうことか。ざっくり簡単に言うと、
(親しみやすい石焼き芋の例)
や〜〜〜き
し いも〜〜〜
い
(ゴミみたいな石焼き芋の例)
い!
しや
き!い〜〜・
も…
こういうことです。
あえて歌詞とメロディのイントネーションをばらけさせて奇抜な曲にする、というのも「飛び道具」としてはアリですが、
これを「個性」にまで昇華するのは時間と実力が必要です。
しかし、じゃあメロディに歌詞のイントネーションだけを合わせればいいのかというと、これもまた違うのです。
言葉にメロディを合わせたらメロディの美しさが損なわれてしまう。
メロディに合う言葉を探したらしっくりこなくなってしまう。
意外とこの繰り返しになってしまうのです。
これは、「聴かせたい言葉」「聴かせたいメロディ」が別々にはっきりしてしまっていると起こる現象です。
これの解決法はもう「納得がいくまで自分で考える」しかありません。
メロディを優先したいか、言葉を優先したいか、それとも折衷案を思いつくか……
この問題については、「はるくんはミュージシャンだからメロディを優先する!」などと簡単に言えるものでもなく、
その楽曲の姿(ジャンルや構成等の目に見えるものから、目的や意図などの目に見えないものまで)によるので、
解決法は「悩む」しかありません。
④テーマと角度
これは既出のコンピの話になってしまいますが、
DTMerコンピでは「FUTURE」というテーマで募集がなされ、
結果として95組それぞれの切り込み方が表れることになりました。
単に「未来」について考える、と言っても
・自分の未来を考える
・人々の未来を考える
・大事な人の未来を考える
・大事な人"との"未来を考える
・音楽に限定して未来を考える
などのように分かれましたし
・遠い未来のお話を持ってくる
・過去から見た未来(現在)を表現する
・「未来」そのものの存在を表現する
・「FUTURE」から連想する
というパターンも見られました。
ある一つのお題に対してどのような切り込み方をするか
(ポジティブなのかネガティブなのか、現在から見た将来なのか、将来だけの話をするのか、夢の話をするのか等)
という点も大きな個性の一つです。
さて、お待たせしました、
というより私が一番待ってました。
ここから推し語りスタートです。
歌詞に関して「お!」と思った方をピックアップさせていただきますヾ(๑╹◡╹)ノ"
歌詞No.1:okyoyou 氏
HIPHOPの話題が出たときに「あっ」と思った方もいるかもしれません。
ラップと言われて思い浮かぶ像のひとつと表現してもいいような、キレのあるラップですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
勿論ラップの発音法もかっこいいお方なのですが、
歌詞に着目すると、摩擦音(サ行・チ・ツ)や準摩擦音(はるくん独自の呼び方だと思う:ヒ・ヒュ)が多く、
それらの登場タイミングが心地よく、言葉に心地よさと勢いがあります(*´ω`*)
楽曲としては穏やかでダークなHIPHOPなのですが、
言葉の勢いやキレも相まって安らぎもありながらスピードを感じられるラップです。
歌詞No.2:Land runner 氏
この個性はラップは極めて稀だと個人的に強く感じるお方です。
というのも、日本語ラップというのは「はっきりした日本語」として聞かせれば聞かせるほどダサくなってしまう傾向が強いもので、ゆえに私自身も「はっきりした日本語のラップ」は今日まで割と避けてきました。
ところがこのお方のラップは「はっきりした日本語」なのにダサさがなく、
聞き取りやすさと相まって聞き手に親近感を与えるものになっています。
はっきりとした日本語であるだけでなく歌詞の言葉そのものにとても力があり、
洋楽的なラップの気色というより、
歌詞だけを見ていると短歌にも通づるような言葉の力が見えます(勿論「短歌っぽい言葉遣い」というわけではありません)。
日本の普遍的な詩として機能させるだけでなく、ラップとしても機能する言葉を選ぶ。
この「日本語の親しみやすいラップ歌詞として」高度な言葉選びは類を見ません。
歌詞No.3:出来立てオスカル 氏
作詞で参加されたと教えていただき、拝聴した東方アレンジ作品から。
「鵺(ぬえ)」という正体不明の妖怪についてクローズアップした作品となっているのですが、
歌詞の大半が古語や難しい言葉で、たった一回で意味を理解するのは(その道の人でない限り)極めて難しい作りとなっています。
ちゃんと理解するには伝承への理解や古語の知識などが必要ですが、
特筆すべきはその表現法をこの作品で採用したところにあります。
11分という東方アレンジとしても長い楽曲ですが、ジャンルは「不明」です。
途中で音楽そのものも様々に姿を変えますが、「打ち込みサウンドであること」以外はわかりません。
テクノとロックの中間をいくような音楽に、
目立って現代的で綺麗な声質のボーカルが乗り、
そのボーカルは古語や難語を紡ぎます。
どの要素を取っても、「東方アレンジ」であることと「鵺のこと」であること以外に「この音楽はこれ」と断定することができません。
鵺とはこういう妖怪です。
これが、ばりっばりテクノポップな曲調や骨太ロックな曲調になったら、「恐怖感」がゼロになります。
これが、「恐ろしさ」を前面に出した幽霊のようなボーカルになったら、「恐怖」が強まりすぎて「正体不明」ではなくなります。
何より、これが親しみやすい言葉で構成される曲になっていたら、「具体性」が強まりすぎて「不気味さ」が無くなってしまいます。
つまり、どれか一つが欠けたらこの楽曲の世界観はあっという間に崩壊します。
この音楽とボーカルの橋渡しをしながら、自身も世界観の柱として存在する歌詞。
大衆的でないものの、表現としての挑戦とその完成(およびその後の挑戦)を感じられる一作です。
#深夜の2時間DTM
— 農夫e(のーふぃー) (@nopyemon) May 11, 2020
お題「場面設定:やった!やった!大当たり!」
よし!
今日1日で4曲作った!!
休みを無駄に過ごさんかった自分を褒めたい!!
大当たりって事で、
「記念すべき何人目の来店~!!」ってのをやりたかったのですが、
ストーリーが行き当たりばったりで、
オチも作れなかったです。。 pic.twitter.com/4Eitw2pwUg
歌詞No.4:農夫e 氏
ブラスやシンセを交えたポップな音楽で「世にも奇妙な物語」的にも見える喜歌劇(明るいオペラ、ミュージカル)のような曲を作られる方です。
かなりユーモラスな楽曲が多く、つい声を上げて笑ってしまったり、オチの上手さに思わず拍手してしまうこともしばしば。
「深夜の2時間DTM」というタグ企画にもよく参加されているらしいのですが、
たったの2時間でこれだけの世界観を構築できると思うと、
歌詞のワードセンスもさることながら、脚本力もあるお方なんだなと感心させられます。
こういったユーモア系の楽曲は、知と心の教養がなければスベり倒してしまう上、
その難易度はオリジナルであればあるほど高くなります。
それでもこういう楽曲を2時間で組み上げられるという部分に、このお方のスペックの高さを実感しますヾ(๑╹◡╹)ノ"
(インターネットができるよりも前に解散したので転載映像しかありませんでした)
歌詞No.5:THE BLUE HEARTS の方々
詩的、表現的、等々語りましたが、ストレートさも忘れてはならない。
そのストレートさの極みたるアーティストがTHE BLUE HEARTSだと私は思います。
手紙や会話のような言葉遣いで真っ直ぐ聞き手に言葉を放る。
そのスタイルは甲本ヒロト氏・真島昌利氏のお二方に共通の魅力であると感じられます。
シンプルでストレートなのに煌めきがある。
この僅かな言葉で人を揺り動かす力もまた大きな「個性」と言えるでしょう。
さあ、時刻は0時9分。
最後の記事も遅刻しましたね( ̄◇ ̄;)
という具合に、私のガチ解説とは名ばかりな推し語り記事シリーズも一旦こちらで締めさせていただきます。
「音楽の個性とは?」というテーマに沿った記事であったために、
「推しなのにピックアップできない。。。」という方が大量に出たのは非常に惜しかった(´;ω;`)
仲良くさせていただいていたり、中には同業者ながら応援してくださったりしている方もいるわけですが、
そういう人達に今一度言いたい。
この記事に載らなかったからって自信をなくしたり、
変に「あなた私を推してないんですね」みたいに思ったりしないでほしいのです。
序章で述べたとおり、私は「個性を感じられる音楽」が好きです。
そして私は「個性を感じて」「惹かれた」からこそ今もあなたの音楽を聴いているのです。
今回まで取り上げたのは「彼らの音楽が解説するのにわかりやすかったから」という理由が強いので、
「自分の音楽はダメだ」などと変に自信を無くさないでほしいのです。
極端な話、私のことは一方的にブッツンしたって問題ありません。
でも私は今もまだあなた方の音楽が聞きたい。
そこに嘘は無いと明言させていただきます。
それでもどうしても「う〜ん」ってなったら
あなたは得しないかもしれないけど、新曲できたら私にURL等を思いっきり投げつけてください。
喜んで聞くし、なんなら感想つけて代わりに宣伝します。
そのくらいには、今回載らなかった方々も立派な「推し」です。
流石にマジで推しでも何でもなくて全く名前も知らない人から飛んできたらビビるけど。
ということで、長々とだべりました「音楽の個性とはなんじゃらホイホイメガホイホイ」もこちらで一区切りとさせていただきます。
本日までお読みいただいた方々、本当にありがとうございましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
次は皆さんの新作で会いましょう(*´ω`*)
え? 私の曲?
みんなの気が進んだらそれも大歓迎だよ!!!!!!!!!!!!!
むしろそっt
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